デトロイト

・ようやく読了。500Pほどあるにしても読むの遅すぎ

・僕はテクノは「語られる音楽」だと思っている。その陰湿なシニカルなメンタリティはベッドルームで作成できるという方法論、そしてなんといってもデトロイトという荒廃した場所から生まれてきたことに起因している。

クラフトワークは「僕たちのドラマーは汗をかかない」といったわけだけど、これにはアンビバレンスがあると思う。文字(ことば)通りのナルシズムと、汗をかかないけど何か?というメタ化されたアイロニカルな意味合いである。その精神は「テクノする」者全てに受け継がれているものだと思っている。YMOや電気にも象徴的。

・本書はデトロイトテクノとその源流について語られたものだが、はっきり言って僕はデトロイトテクノが好きではない。理由は「マジ過ぎる」から。テクノという方法論を取ったとしても、シニカルな目線を持つことさえ許されなかった状況がそこにはある。希望を語ることさえ許されていない。

・結論付けてしまえば暗すぎる、と思っていたのである。しかし、僕はその偏食的な視点を今後放棄しようと思う。

・例外的にデリック・メイの起源は明らかにシカゴハウスにある。ジェフ・ミルズハードミニマルであり、インダストリアルであり都市の臭いを漂わせることはない。

・ではデトロイトとはなにか?ホアン・アトキンスであり、UR軍団である。僕はこの辺に関しては全く聴いていない。