動画で見るキングオブディス:大阪のR指定

フリースタイルバトルというのはつまり、一定のルールのもと即興のラップで対戦相手を罵倒し、どちらが上手くラップで来たかを競う競技なんですが。
ではうまいラップとは何かというと、①主張の内容(相手のラップに対して的確なアンサーを返しているか等)、②押韻(韻をどれぐらい踏んでいるか等)、③スキル(ビートにうまく乗れているか等)に加え、そのMCが持っているスタイルやバイブスを勘案して、バトルの多くは観客の判定によって勝敗が決まります。

それで大阪の「R指定」というMCはその世界では知らない者がいない程に最強のMCなので、今回は動画でまとめてみたいと思いました。

ちなみに大阪のMCのフリースタイル環境というのは、「大阪名物ラップ」なんて言われるほどに、強いMCがいるという意味では(個人的には)東京のそれよりも上だと思っています。そんな猛者が集う大阪でも、R指定の強さはやはりずば抜けいる、そのことはUMB(フリースタイルバトルで最も権威のある大会)の大阪予選で3年連続優勝していることに象徴されるとおもいます。



●2008−2009年

R指定が注目を集めたのは、彼がまだ高校生(2008〜2009)だったころなのですが、①内容よりも③ラップのスキルで沸かすことにたけており、一方で「替え歌」を連発していたことと、相手を小ばかにしたようなディスで、最初のころは色物っぽい扱いだったように思います。これが最初のスタイル。

【ENTER】R指定VSサリー(このバトルは正直爆笑しました、替え歌の内容もさることながらちゃんと押韻しているところに驚愕。)

【ENTER決勝】R指定VSエローン(ENTERは韻踏合組合がやってる大阪のMCバトル。このころ無双状態だった韻踏エローンに圧勝して「最強」を印象付けた象徴的な試合。フロウと下ネタでロックされます。)

【MC BATTLE cypher vol.4】 古武道 vs R-指定 (内容は何が言いたいのかよく分かりませんが、ラップの上手さだけで飲み込んでいきます。)
http://youtu.be/9mxGqR8vgfw

●2010年

【UMB本戦】R指定VS晋平太(UMB2010の一回戦。復活をかけた晋平太とUMB初登場の18歳R指定。個人的には日本語フリースタイルラップの最高到達点の一つだと考えています。バイブスで上回った晋平太に対して、スキルで勝負し続けるR。最後に「喋りのうまさlike a 笑福亭」が出たときはそのスタミナに度肝抜かれた。)

●2011年
このころをR指定最強期だと思っているファンも多いかと思います。大阪予選の勝利ラップがカッコよすぎる。ただ、UMBの本戦では東京Dotamaに1回戦で負けます。いや、ラップ自体はとてもうまいんですけど…grン場の判定方法に問題があったと思います。詳しくはDVDを。

●2012年
UMBの予選からその兆候はあったと思いますが、小手先のスキルよりも対戦相手のラップを受けてちゃんとアンサーすることを意識している印象を受けます。一部R指定は弱くなったという意見もありましたが、それは仕込みをやめたからで、純粋にアンサーを返そうとする倫理観が垣間見えます。そして、ついにUMBで優勝します。
【UMB本戦】R指定VSmol53(決勝なんですが、このトラックでラップできねえだろと観客思っていたがものの…)