キングオブコントおかしくね?

かなり注目していたのですが、思ったほど話題にならなかったので少しだけ書いておきます。
まず、審査方法は誰もが微妙な感情を抱いたはず。この方法論だと準優勝バナナマンは勿論、優勝したバッファロー吾郎まで後味が悪い。

* 前述のように芸人を審査するのは準決勝に敗退した芸人たちであるが吉本の芸人が大多数を占めることから審査基準が公平か疑問である。松本は番組の冒頭に冗談めかしではあるが、「吉本の組織票が…」と指摘した。

* 2度目のネタの評価でファイナリストによる記名投票が実施されているが、2008年大会では記名させたにも関わらず選出されたグループの目の前でわざわざ口頭発表した。審査する主体が審査される主体よりも立場が絶対的に優位でない限り、所属団体や上下関係の圧力が無視できないので記名投票によって公平性が担保されていたかは疑問である。ネタの良し悪しではなく同じ事務所の先輩や同じ派閥の芸人仲間に投票した傾向があったことは否定できない。

以上のようにウィキペディアに記載されている。僕はバッファロー吾郎の実力を疑ったことがない。しかし、バッファロー吾郎の目の前で果たしてその後輩達が「バナナマンの方が(ry」と宣言できるだろうか?そこはこの審査方法を提案した松本人志(おそらく構成作家をみても松本の意志が強く感じられるわけだ)が彼ら(審査員となったファイナリスト)の「お笑い的良心」「お笑い的誠実さ」を信じたかったのだと思うが・・・(無論、いやたとえ審査員が本当にバッファロー吾郎の方が面白いと思っていたとしても)吉本の後輩達だけが次々とバッファロー吾郎に票を入れていく様(あるいはバナナマン設楽が欺瞞いっぱいの表情で公正な審査を願う様www)をみて気分がいい人はいないと思う。少なくとも審査される芸人達はそうであって欲しいと願いたい。

<M−1>2年目ますだおかだが優勝した直後、松本人志は自身のラジオで「本当に面白い奴らが優勝すべき」として、ますだおかだの優勝に大きな違和感を表明した(このとき事実上の優勝として名前が挙がったのが「フットボールアワー」であり、彼らは次年のM−1で見事優勝するのだ。)僕を含め多くのリスナーや某雑誌がこの勇気ある松本の発言に心を打たれたわけだが、今回の審査方法を構成したのが松本自身であるならば、大きな疑問がわいてくる。「本当に面白い奴らが優勝すべき」と高らかに公言した彼にとって今回の審査方法は明らかに「失敗」ではないか?いや「本当に面白い奴らが優勝すべき」と思っているのは他でもない視聴者なのだから。

あと、もう一点。セミファイナリストに審査を任せるというのはどうか?審査員はファイナリストにとって先輩でも後輩でもありえる。この芸歴の上下(お世話になっている先輩/勢いのある後輩)が採点として意識的無意識的関わらず大きく影響しているのではないか。(少なくとも、麒麟枠のように勢いだけで決勝に進出した若手芸人には不当に低い点数がつけられているように感じた/それに一番違和感を示したのは松本本人だったww)

とりあえず、来年もこの採点方法を採用するのであれば、この番組は正視に値しないと思う。(というか正直、今回も結構つらかったけどね。)もうM−1と差異化する必要ってそんなにないんじゃないか?M−1のコント版「C−1」じゃだめなのか?



来年はバナナマンが優勝すればいいと願うお笑いファンでした。